衆愚
人体部では月曜の12時20分に席順の抽選が行われる 。
最近は盛況で、20名以上が抽選に参加することも・・・
抽選後は、ポーズ開始の12時45分までに、全員で室内の清掃とイーゼルを並べるのが決まり。
数年間、抽選前に清掃等を済ませてくれた 善意の人がいた 。
この方が、1年ほど前に人体部をめでたく終了し、この精神を後進に託した。
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善意も数年続くと従来の決まりは忘れられ、
新しく人体部に来られた人達に、これが決まりであるかのごとく強要し始めた 。
今回は、
抽選前にイーゼルを並べる協力を、腕が不自由?な人にもとめたことから
感情的なやり取りが始まった。
これを収拾するために、
抽選前に30分早く集合して、清掃を済まそう等の提案が次々に・・・
エ!・・・???・・・何を言い出す?・・・午前中はくそ忙しいのに・・・
それに抽選に間に合わない人も多、これ以上の規則はうんざり、と、切れてしまった 。
結局、善意はアリガタ迷惑だった、と、原点に戻ることを主張する 。
掃除もしなかった人が・・・と反論された。
過っては、清掃等は皆でしていた、数人が勝手にやっていただけ・・・
と、声を荒げる。
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人体部に30年以上在籍の肩書で主張は通ったが、・・・
大声のごり押しは効果がある、ことも実感する 。
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規則の多くが、その場の思い付き的多数決で決定されていて、
15年間、週に1日程度の人体部通い、が悔まれる。
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8年程前、大阪市の財政難で土曜日の人体ポーズが廃止された。
その対策として、人体部の在籍者全員から土曜日分を徴収するとの文章が
配布され、署名による多数決で決定、と提案されていた 。
地方自治法に違反する月謝以外の金集め、モデル会社への損失補てんを疑われても 仕方がない 。
この多数決は、美術館側がやめさせた 。
抗議の折、美術館の管理職が新聞を指さしながら、これに取り上げられたら、
研究所も廃止ですね 。とつぶやいていた 。
狭い世界でも、どうでも良いでは、済まされない事が・・・
多数決の危うさに関連したか?
英国のこの先と世界経済へ、思考が飛んでしまった・・・。
あとがき
研究所の講師のお言葉(s50年頃)
研究所はプロを目指す人の修業の場、 君のようなサラリーマンが来るところではない。
コンクールの人体デッサンは確かに上手だった。 それから数年で上手は死語となって、
今年3月に、記憶に残った方の初個展で、油絵の他、人体部終了のコンクール作品(H5年奨励賞)等を鑑賞。
懐かしさで人体デッサン(s63年)を購入。
この頃は、若かった。 そして、・・・みんな何処かへいってしまった・・・