光陰
対象を観察し、如何に表現するかを意識してずいぶん歳月が流れた。
暇も出来、お迎えが来るまでに名作を1点と夢見るが、オリジナルの表現には
努力&才能不足。
遠ざかっていた公募展にも時折足を運ぶが駆け足観賞。
本物が見たいの感動欠乏症故、誰がどんなものを描くかに興味はない。
誰々風はまだしも、心の闇を描いたような作品のオンパレード。
他人の闇など見たくもない、ウマ下手のみの印象で記憶から即消え去る。
年齢を重ねると感性までも抜け落ち、ボケの始まり?と心配したが、
Takasimaya で展示された原安三郎コレクションの北斎・広重は、1と月過ぎても
脳裏のどこかに残っていて駆け足時によみがえる。
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日本画教室の体験講習で、日展審査委員を務められる大先生に
日展といえば日本画、しかも輪郭線に感動していた。
最近は洋画と大差なく、日本画らしくもない。
同じ表現方法なら、岩絵の具は油絵の具に負けますネ。
去年の日展は洋画部門のおいらんの顔が印象に残った等々・・・。
私の言いたい放題の無礼な言動に、
筆を持つ生活習慣がなくなったこともその一つ・・・
と言葉に詰まりながら目を伏せて答えられた。
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実現不可能な夢を見るのもまた楽し、と酒を飲み、明日の天候によっては釣行へ、
心身共揺らぐ制作習慣と己の性をつかの間反省・・・