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レガシー

黒田門をくぐり、煙草の処理で油絵を描く男性の背後へ、

美術館の壁や木々もそこそこ表現され色に濁りがない。

暇人に加わりしばし鑑賞する。

肩が触れ合うほどの距離に老人が座って、しきりにヨイショするが、筆の動きを止めず、丁寧に答える人柄に、年季が入っていますネと感想を述べる。

否否が返ってくる。

ポーズが始まる時間なので人体部へ、上手だから、見ておいたらと女性に勧める。

慶沢園の入り口がおかしくない?の批評と、日曜会の方だったの情報を持ち帰る。

どうりで描き慣れている、日曜会はベテラン揃い、おかしく思う箇所はデホルメ?と話す。

無料だった慶沢園は現在金が要る。かっては日曜ごとに園内でスケッチ等を楽しんだ筈・・・

住友家から市民へ寄付された庭園で小銭を稼ぎ、近鉄に委託した公園では、噴水やトンネル、ブロンズ像まで撤去して、飲食店や宿泊所などを建設、天芝と名を替えたが、芝生の養生で立ち入り禁止状態が続き、フェンス等の工事もあって長期間景観も損なわれている。

すべてにおいて現実的で、せこいの印象。

小さく狭くゆがんだ門にデホルメしたのは過去と現在の対比?、それとも恨み節???、

作者の意図に思いを馳せると、ひとポーズの15分が散漫になった。

9月入所の男性の石膏デッサン、2~3時間の進捗に、どこかでやっていた?と問う、

もちろんです、の返事に感動。この種の言動が溢れていた頃の研究所を思い出す。

人体部ではどんなデッサンをするか今から楽しみ、と幾人かの研究生に話す。

この先どうなるで3日間、4日目に???。

陽のあたる所に才能が集まるは、漫画・アニメ、地下の公募展で感じてはいたが、

陽は当たらずとも、もちろん君には気合いを入れてもらわねば・・・

後書

全関西展・美術館所蔵展を同時鑑賞、赤松麟作の風景、寺内萬治郎の裸婦に立ち止まる。

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